【現地レポ】賃貸住宅フェアで再確認した、個人大家に必要なAIの使い方
みなさんこんにちは、旅する大家のヨネヤです。
先日、東京で開催された『賃貸住宅フェア』に行ってきました。
これは、全国の大家さんや管理会社、建築業者などが一堂に集まる、不動産業界では最大級のイベントです。

▼ 華やかなAI技術と、自分の現場との『距離感』
目玉企画の『不動産AIテックコンテスト』では、5社が最先端のAI技術を発表していました。
・重要事項説明書をAIが自動チェックする仕組み
・問い合わせ対応を音声AIがまるごとこなす仕組み
・全国の登記情報から相続や売却の可能性を予測する仕組み
・衛星データから地権者を探し出す仕組み
など……。
どれも技術としては本当に素晴らしいものばかりでした。ただ、プレゼンを聞きながら、ずっと頭に浮かんでいたのは「すごい技術だけど、自分が知りたかった『私たちのような個人大家が、明日から使えるAI』とは違うな……」という感覚でした。
独自のビッグデータや専用システムを前提にした、大規模事業者向けの解決策が多く、私たちが自分の小さな現場で明日から使えるような『身近な工夫』とは、少しレイヤーが違っていたのです。
■ 『AIを使う』のではなく『困りごとに対策する』
会場には「ホリエモンAI学校」というブースもありました。「AIを使える人を育てる」というコンセプト私の問題意識と近いものだったのですが、ここでも少し引っかかりを感じました。

私は『AIを使おう』と意気込むこと自体が、そもそも順番が逆なんじゃないかと思っています。
たとえば、数年前。リフォーム業者さんからメールで請求書が届いたときのことです。画面を開いて金額を確認し「あとで払おう」と思ったのが運の尽きでした。それきり、すっかり忘れてしまったのです。
紙の請求書なら机の上に積んでおけば嫌でも目に入ります。でもメールは、開いて内容を確認した瞬間
なぜか「もう対応した」ような気になってしまい記憶からすっと消えてしまっていたんです。
こういう「うっかりミス」をしたとき私は「どうすれば同じ失敗を防げるか」を考え、カレンダーアプリを使ってみたり、リマインダーを設定したりと対策を重ねてきました。
そして最近、その対策の選択肢のひとつに『AI』が入ってきたというだけなんです。
AIは魔法の新技術ではなく数ある手段の中の、ひとつに過ぎません。「AIを使おう」から入るのではなく目の前の困りごとから考える。そう捉えると、変に気負う必要がなくなるのではないでしょうか。
■ もう一つ大事なのは、「どこに人間の判断を入れるか」
そしてもう一つ、私が大事にしているのが「どこにAIを使い、どこは自分で判断するか」という線引きです。業務の効率化や防止策としてAIは非常に強力ですがだからといって「なんでもかんでもAIに任せればいい」というわけではありません。
すべてをAI任せにしてしまうと現場で一番大切な『人との信頼関係』や『大家としての責任』まで手放してしまうリスクがあるからです。
■ 仲間として(Q&Aコーナー)
ここで、よくある質問に答えます。
Q:「その線引き、どうやって決めればいいんですか?」
A:迷ったときは「これは情報の話か、それとも人の話か」と自分に問いかけてみてください!
書類の転記や検索、定型文の作成、リマインドといった『情報を扱う仕事』はAIにどんどん任せて構いません。一方で、入居者さんへの声かけや、費用をいくら自分が負担するかといった『人としての責任と信頼に関わる判断』はAIに委ねてはいけないと思っています。
この2つを分けて考えるだけでAIとの付き合い方がずいぶん楽になりますよ。
■ 結びの言葉
大企業向けの華やかな技術と私達のような個人大家の現場との間には、まだ大きな距離があります。
だからこそ「AIを使えるようになろう」と気負う前にまず「今、何に困っているか」を見つめ直すことが大切です。
この視点を軸に、今、「小さな不動産会社と個人大家のための、身近なAI活用」をテーマにした本を書き始めています。まだ執筆中ですが、こういった具体的な失敗談と対策を、たくさん詰め込んでいくつもりです。
それでは、また次回お会いしましょう。
ヨネヤ

コメント